① 耳管狭窄症とはどういうものでしょうか?
専門的には耳閉感ともいいますが、耳が詰まった感じが最も多い症状ですが、圧迫感やフタをした感じ、聞こえにくい、自分の声がこもるなど、人によっていろんな症状があります。では、その原因は、少し専門的になりますが、中耳炎などの炎症を何回も繰り返すことで生じる(1)器質的瘢痕狭窄、(2)自己免疫疾患であるシェ-グレン症候群や放射線照射後の耳管内線毛運動能の低下、(3)耳管内粘膜のアレルギーや感染症による炎症などや鼻咽頭腫瘍やアデノイドなどがあります。これ以外に、私共の考えでは、鼻アレルギー、副鼻腔炎などでは、耳管咽頭口周囲の粘膜腫脹などの炎症性変化で耳管閉塞あるいは耳管狭窄に関与すように思われます。アレルギー反応や炎症性反応が強くなると、耳管狭窄症のさらなる悪化とともに、滲出性中耳炎を引き起こすことがあります。滲出性中耳炎を生じるような治りにくい耳管狭窄症の他の要因として、咽頭喉頭逆流症、いわゆる逆流性食道炎の関連が指摘されています。これらの胃酸が逆流する病気のある成人では就寝時に、乳幼児では耳管の走行が水平に近いことから就寝時でなくても、胃酸が鼻咽頭部に逆流し耳管咽頭口部に炎症性腫脹を生じることがあり、耳管狭窄症、ひいては滲出性中耳炎の誘因になりえます。