① 耳管開放症を理解するうえで重要な耳管の働き
耳管には大別して、a)換気、b)排泄、c)防御の3つの作用があります。このうち、換気能は耳管の病態を理解するうえで最も重要です。換気能とは、外圧の急激な変化に対して中耳圧を調節する機能のことで、嚥下や開口(あくび)などで、顎を動かして口を開けたり閉めたりできる下顎神経(三叉神経の第3枝)の支配の口蓋帆張筋が収縮し、耳管が開いて空気の入れ替えが行われ、また、いわゆる耳抜き(バルサルバ通気)のように鼻の奥の鼻咽頭部や外界の圧変化による中耳内との圧勾配でも耳管は開大します。