④ 耳管開放症の診断
耳管開放症は、診断基準が日本耳科学会で作成されています。耳症状としては、自声強聴、耳閉感、呼吸音聴取の3つのうちの1つ以上があり、鼓膜の呼吸性動揺や、頭部前屈や臥位などへの体位変換による耳症状改善などがあることが必要になります。さらに耳管機能検査により、より精密な診断が可能ですので、当施設でも施行しています。
耳管機能検査法には、1)音響法、2)TTAG(耳管鼓室気流動態法:インピーダンス法と圧測定法)、そして3)加圧減圧法の3つが主なものになります。より重要な診断法としては、CTによる画像診断が、特に重症の耳管開放症に対しては有用ですので、当施設でもより重症の耳管開放症の診断目的や真珠腫性中耳炎随伴の有無の精査目的などで検査を施行しています。
耳管開放症患者の病因の一つに体重減少の既往の存在があげられますが、全てがそうではなく、一番多いのは、ストレスが過剰に働いて誘因となっていることです。また低血圧や、更年期の女性にも多いこと、自律神経失調症様の所見を呈する例が多いことなどより、これらの主に機能的な因子が関与しているものと思われます。