大阪市北区の耳鼻咽喉科・アレルギー科

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〒530-0012 大阪市北区芝田1-1-24 ビル3階
診療時間 午前 10:00(土曜日 9:00)~12:30 午後 15:00~18:00(金曜日 17:00)
休診日 水曜日(手術日のため)・日曜日祝日・最終土曜日(他に休診日のない月)
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⑥ 処置治療

⑥ 処置治療

保存的治療に抵抗を示すものには処置治療を行う場合もありますが、処置治療が一過性の治療であり、薬物の耳管内への投与などは、その後の手術治療に影響を与えることもないとは言えないことから、投薬治療無効例で重症例には、処置治療をしないで後述の手術治療を行う場合もあります。しかし、外来ですぐに効果を得たい場合などは、薬物の科学的刺激による粘膜浮腫にて耳管開放状態が軽減しますので、特に手術治療を行わない第一線の診療所においては治療の重要な位置を占めることになります。具体的には、先端部を主体にカーブさせた綿棒を同側鼻腔から耳管内へ挿入し、耳管の内腔にヨード剤などの刺激性薬物を付けた綿棒の先端部で簡易的にパッキング(閉鎖)する方法です。しかしながら、この処置にはコツを要し、自律神経反射や粘膜の炎症をきたして、中耳炎を惹起したり気分不良やまれに意識消失などの副作用を生じえますので、必ず経験者の指導や師事を受けた医師によって行われる必要があります。

他の方法としては、生理食塩水の鼻腔から耳管内への注入が有効な例もときにあり、薬物作用を有していないので安全に使用できます。この方法は、耳管咽頭口経由で垂直方向になった耳管内へ生理食塩水が流れ込むようにするもので、頭部を水平かやや後方に倒した位置にし、さらに患側に頭部を約45度以上回旋した位置で、生理食塩水を患側鼻内へ滴下する方法です。また、外耳道側からの鼓膜に対する処置治療として村上らによる鼓膜テープ補強法という方法では、耳管開放による空気の過剰換気が原因で生じる鼓膜の振動をおさえることで、耳閉塞感やパカパカ音が改善する例があります。外来で手っ取り早くできる治療ともいえますが、テープの鼓膜に張る部位や大きさなどテクニックや慣れが必要でして、痛みを生じるときは麻酔をします。当院ではべスキチンというカニから採取したキチン質の薄膜を用いて湿らせて施行することがあり、重症例への適応もありえ、結果的に患者様の耳症状が軽減するのでしたら悪くはない方法です。

  1. 耳管開放症を理解するうえで重要な耳管の働き
  2. 耳管開放症の病態と発症に関与する因子
  3. 耳管開放症とその類縁疾患
  4. 耳管開放症の診断
  5. 生活指導および薬物治療
  6. 処置治療
  7. 手術的治療
    1. 耳管ピン手術
    2. 鼓膜チューブ手術
    3. 耳管鼓膜チューブ挿入術
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