② 耳垢栓塞(みみあか)
1)耳垢が多く詰まると聞こえが悪くなる
耳垢は、耳掃除をしなくても自然に耳の外に出てくることもあるのですが、耳垢があるレベル以上たまったり、自分で耳掃除で奥に押し込むとそのまま奥に入り込んだままとなることがあります。特に耳垢を排出する力が弱くなった高齢者では比較的多く見られます。
難聴は認知症の危険因子の一つともされていて、耳垢がある人は認知機能が低い傾向があることがわかっており、アメリカの高齢者向け施設での調査では、耳垢栓塞を取ることで入所者の聴力が改善しただけでなく、認知機能も改善されたことも報告されています。
2)耳内の奥にある耳垢は自分で取らないでください!
耳垢は、多く溜まると難聴の原因にもなる一方で、細菌に対する防御機能や皮膚表面を保護する作用などもあります。外耳道には耳垢を外へ押し出す働きもありますから、その力が弱い高齢者であっても、耳掃除は2週間〜1ヶ月くらいの頻度で十分です。
その際も耳垢を掻き出すのではなく、外耳道の入り口から1cm以内の見える範囲の耳垢を綿棒でそっと拭き取る程度で十分です。硬い耳かきを奥まで入れるのは、思わぬ怪我にもつながりおすすめできず、小さい綿棒(ベビー綿棒など)を使うようにします。耳垢が溜まりやすかったり、奥に溜まった耳垢が気になる場合は、耳の専門医に取ってもらうほうが安心です。衛生面でも、耳垢(みみあか)を気づかぬまま放置することのないよう、年に1,2回程度の定期的な耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。