4)好酸球性中耳炎
多くの場合は、気管支喘息や好酸球性副鼻腔炎と診断されてしばらく経過してから生じてくる病気ですが、まれに耳だけが悪い例もあります。症状は、耳閉感や聞こえにくさ、耳だれなどですが、たいていは難治性でして、神経の聞こえが悪くなる感音難聴も生じてくる場合は、より重症ですので全身的な診断(血液検査等)も要するようになります。
好酸球が多く含まれる粘り気のある液体が鼓室(こしつ:鼓膜の奥の空間)に溜まり、鼓室の粘膜が炎症をおこして厚くなるのが特徴です。
耳の治療として、内服薬の投与と共に、滲出性中耳炎タイプを示す場合は、鼓膜チューブを挿入し鼓膜の奥にある貯留液の除去、さらに副腎皮質ステロイド投与が有効ですが、全身的な副作用を防ぐ上でもなるべく外用の鼓室内投与を感染症に注意して行い、耳管内の病的粘膜の正常化を図る治療として重要となります。
前述の如く、初期は貯留液による難聴(きこえにくさ)が主体ですが、病気が進行すると鼓室のさらに奥にある内耳まで障害がおよび、全く聞こえなくなることもあり注意が必要です。
好酸球性中耳炎は気管支喘息、好酸球性副鼻腔炎など全身のアレルギー体質とリンクしている方が多く、その場合は気管支喘息、副鼻腔炎の治療も重要です。